pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

Sプロ サナバガン

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子供の頃の素潜りにはスノーケルはありませんでした。フィンすらありません。マスクはフルフェイスの丸型で鼻まで覆われるので耳抜きができません。もっとも耳抜きなどというテクを知りませんから耳栓をしていました。耳栓に一番良いのはガムでした。甘さが無くなるまで徹底して噛んでから適当な大きさにちぎって海水で冷やして指で揉んで使います。風船ガムは柔らかすぎて耳の奥に粘るので危険です。ボクがガムを使い始めてから友人が真似て耳鼻科へ行ったのが少なくありません。実際耳栓は危険なもので水圧がかかっても内部圧が逃げないので頭痛とオレンジ色の鼻血には悩まされました。それでも海中の世界には魔力がありますから夢中でした。

後年フィンを手にしてキヌガワのマンティスで耳抜きを知ったときは世界が変わりました。どこまでも深いところへ行けるように思ったものです。子供の頃のマスクは水圧でガラスがミシミシ音を立てていつ割れるかと怖かったものです。そしてこのサナバガンを試した時にはあまりに快適で疲労が激減しました。以前は水中から水面へ顔を出すと先端まで詰まった海水を一気に肺の力で吹き飛ばすわけですが毎回だとけっこう疲れます。実際使わない方が快適なので使いませんでした。ところがサナバガンは筒先端が海面へ出て大気圧がかかるとマウスピース横の排出弁から海水が自動排水されます。吹き飛ばす海水はマウスピース下にわずかに残ったものだけですから非常に楽です。これに兄貴分の太目のショットガンがありました。スキューバにはそちらを使っていました。クレッシイのロンディンとキヌガワのマンティス、そしてスキューバプロのサナバガンがボクの黄金の3点セットでした。