pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

NIKKA 竹鶴21年

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これは美味いです。英国の「ウイスキーマガジン」の主催の「ワールド・ウイスキー・アワード」で2年連続世界最優秀賞はどうでもいいのですが、なんとも凄みを感じる芳醇さですね。こんなの毎日飲んでいたら人間おかしくなっちゃうなあなんて思いながら喉を流れ落ちる熱い余韻を味わいながらウットリするのですね。去年の晩秋に余市のニッカ工場に出かけましたがアソコはいつ行ってもいいですね。異空間というか竹鶴政孝が今もそこにリタといるような錯覚に囚われます。蒸留所の石炭の燃えるニオイ、工場の佇まい・・・ニッカ工場全体が政孝モニュメントで政孝ワールドです。

独特の風貌、ブレンダーの命たる立派な鼻を持った政孝はスコットランド留学から帰国後壽屋の山崎工場を立ち上げます。蒸留用のポットスティルは彼の設計により日本の職人が作ったものです。ウィスキー作りはハイランドという信念のもと工場候補地を江別と余市に絞るのですが余市に降り立って駅背後の丘陵をはるかに眺めて彼は留学の地、妻リタの故郷スコットランドを想いこの地に決意を固めます。まあこの辺は二十数年前に読んだ川又一英の「ヒゲのウィスキー誕生す」の受け売りですけどね。大日本果汁KK略してニッカとなるわけです。後にローランドの宮城峡を作ります。竹鶴21年はこのハイランドとローランドのピュアモルツ同士のブレンドです(スーパーニッカなどはグレンモルトとのブレンド、所謂ブレンデッドウィスキー)。ウィスキーは熟成が必要で膨大な時間がなくては樽(ゆりかご)の中に酒精が生まれません。気が遠くなるような時間のなかで政孝はもがきます。当初ジュースを売るのですが経営は火の車、苦闘の連続です・・・・・・長くなるので止めます。本をお読みください。

工場の一角にニッカ館とウィスキー館が隣り合わせでありますがウィスキー館の奥にバーと工場限定品の販売所があります。そこにはシングルカスクの25年があります。とても小さなショットでいただきましたが(900円だったかな)口の中に広がる芳醇さはなんとも・・・60度少しあるようですがマイルドです。是非一度お試しください。帰りにシングルカスク15年のシェリー樽仕込みを一本買って帰りました。ハーフボトルで(笑)

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