pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

ナガサ-西根稔

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永らくアップしておりませんね。”一寸の光陰軽んずべからず”ですがあまりに時間の流れが早くて戸惑っています。成人以前の少年期は早くオトナになりたくてウズウズしておりましたが時間は極めて緩慢にしか流れませんでした。いったん20歳を過ぎてしまうと時間は徐々に速くなりはじめて50歳も超えるとあまりの加速度に恐怖すら覚えます。ローリングストーンズですね。この分だと柩に入るのもあっという間のようです。

今日は秋田県阿仁町マタギナガサです。昭和の終わり頃から平成の始め頃のものです。本当は袋ナガサが欲しかったのですが友人から譲り受けたものなので仕方ありません。切れ味は怖いくらい素晴らしいです。今も阿仁町で製造されていますが又鬼山刀の刻印が当時のものにはありません。裏側にはカネにマル市の屋号に正剛の刻印があります。3代目正剛の西根稔さんの作だとおもいます。

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阿仁マタギの棟梁で松橋さんという方のドキュメントを一度テレビで見ましたがマタギの技や風習には興味をそそられました。西村晃の「マタギ」も面白かったですが彼ら狩猟の民にとって強くて賢い犬ほど大切なものはないのではないでしょうか。ナガサもしかりだと思います。彼らは里から山(結界)に入ると独特の言語を使うようです。平安期白河の関より北は蝦夷(エミシ)の天地でしたが遠く縄文人の流れをくむ彼らの風習が色濃く流れているのがマタギのようです。蝦夷アイヌは切っても切れない同族だと思いますね。北海道に限らず○○ナイ、○○ベツの地名は白河の関以北で多く見られます。どうしてもアテルイや阿倍貞任(アベノサダトウ)のような豪傑にコシャマインシャクシャインを重ねてしまうのですね。