pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

続・釣魚大全 てうぎょだいぜん

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訳者はヒラタハゲキではありませんよ。トクボクと読みます。本名は喜一。昭和11年の発行ですので字体も文体も異次元の感じですがボクは母方の祖父母の家で大昔の外国の本を小さい頃に読んだので少々訓練されています。オトナの外国の小説(モッパーサンやらイプセンやら)には何かエロティックな筋が書かれていないかと真剣です。多少の旧字や難解文字など意味が大体わかるもので分からなければ自分なりの読み(意味)を作っちゃうので都合のいいもんです。

この本の翻訳も時代を感じさせます。ボク、私、ではなくて拙者です。拙者は長谷川平蔵と申す、の世界です。でも中々味があります。漢字にルビがふってありますが夢想家がむさうかです。社会がしゃくわい。でも訳文の格調の高さには唸ります。訳が変わるとガラリとニュアンスも変わりますね。テグジュペリの『星の王子さま』を訳者違いで数冊読んみるとわかります。文体に好みがはっきりわかれます。いかに英語に精通していても日本語の素養がモノをいうようです。

巻末のSTUDY TO BE QUIET の訳ですが『静かなることを学べ』もしくは『穏やかなることを学べ』なのでしょうが平田禿木訳では以下のとおり。

『努めて静かなれ』