pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

Mitchell 900-901

 

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1985年(昭和60年)頃、季節はちょうど今頃、早朝4時に西区の自宅を出て中山峠を目指しました。ものすごい風と雨でおまけに真っ暗です。

女房のバカじゃないの!の声を後ろに聞きながら釣師とはやはりバカなのです。定山渓を過ぎて佳松御苑あたりまで行くと真冬の気配。長いトンネルを抜けてすぐに林道入口のゲートがあります。ロックされたゲートの脇からJEEPで乗り越えて林道に侵入。豊平川の源流からダム(定山湖)への流れ込みを目指します。

現地へ着くとあたりは雪景色で下界とは別世界。山々の峰に風が当たってうなりをあげていました。夜も明けたので早速ウェーダーをつけて流れ込みの中へ。ルアーを振り続けること一時間。冷えたので湯を沸かしてコンソメスープを飲んで一息入れました。みるとこちら側に良さそうなエグレがあるけどボサがかっててルアーをキャストできない。でも置き竿ならどうかなと思い崖をよじ登って車へ。

荷台をみるとミッチェルのリールが見えました。ロッドは何本かありましたが積みっぱなしなっていたヒラメ釣りの細めのシャクリ竿を手にして戻りました。エサは昨夜のマグロの中トロの残りを小さく切って竿はボサの枝にただ立てかけて置き、再びボクは延々とキャストの繰り返し。それにしても寒い。腰より上まで流れに入って“ボクはついに一本の杭と化した”のでした。“芸術は忍耐を要求するのだ”

2時間も頑張って当たりは皆無。あまりの寒さに2度目のスープタイムに。コールマンのピーク1に火をつけて鍋に水と固形コンソメを一個入れて・・・これが身に染む美味さ。シエラカップに口をあてて飲みながら川面をボンヤリ眺めているとボサの枝がガンガン揺れています。???置き竿の穂先は動いてないし・・・変だなぁ。近づいてみるとラインが複雑に枝に巻きついてガンガン揺れてます。!!!このエグレの下にデカイ魚がいる。一気に脈拍の上がるのが分かりましたよ。

やっとのことでラインを解いてロッドを手にするとスゴい手ごたえ。途中何度か魚体が見えましたがサクラマスじゃなく黄色っぽい魚体。ネットでランディングするとイワナでした。47cmありました。ダムと川を行ったりきたりしていると降海型のアメマスみたいにデカくなるのですね。ここのヤマメも同じでダムに降りて銀化してサクラマスのようになります。

その夜友人に見せびらかしましたが「どのルアーにきた?」「やっぱりトビーだよなぁ」なんて。マグロの刺身にきたなんて口が裂けても言えませんもの。 

 

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