pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

PENN マスターマリナー

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足に落としたら間違いなく骨折しそうな重量と大きさですが鯨でも釣るの?なんてからかわれましたがマス釣り用に使っていました。マスのトローリング用でラインはグデブロッド、ロッドはフェンウィックでした。正月前の厳冬期からはじまるマス釣りはバケのシャクリ釣りですが海が落ち着く雪解け時期からトローリングが始まります。この頃は丸々と太ってはちきれそうなイタマスねらいです。ヘラ(潜行板)を何枚か間隔をおいてセットして後ろにパール疑似餌をつけます。ヘラの枚数が多いと探れる棚(遊泳層)も広がりますが抵抗も増えますので手持ちのロッドの調子との相談ということになります。20年以上前のことですから時効ですがマスの曳き釣りは北海道では禁止漁法だと後で知りました。

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ゴールデンウィーク余市川河畔にあった余市マリーナに泊まり込んでうす暗いうちに出航します。余市川を微速前進で河口から海にでると間もなく左手に雄大なシリパ岬が迫りはるか向うにローソク岩が見えてきます。高揚感でドキドキする光景でした。今でもシリパを見るとしあわせな気分になれるのはこの頃のスリコミですね。あとは幾重にも重なった岬をこえて全速で積丹半島の先端を目指します。現着するとすぐに仕掛けをセットして潮目を探しながら大きな8の字を描くように微速2~3ノットでひたすら当たりを待ちます。ずっと低回転なのでエンジンがかぶり始めてエンストしそうになるのでたまにスロットルを2~3度あおってやりますと船尾に真っ黒な油が浮き上がります。エンジンはマーキュリーでしたが僚船は全く同じヤマハの27フィートで船内にボルボを積んでいましたがはるかに優秀でした。低速でも安定していますし帰路はレースになりますが高速でも勝負になりません。

マスがヒットするとヘラが上を向くので潜ろうとするヘラの抵抗が無くなって一瞬竿先が戻るとすぐにマスの抵抗が始まります。引き寄せてもタモですくうのが何度も空振りするくらい猛スピードで最後まで暴れます。ギンピカの魚体は感動ものですがすぐに頭を叩いて昇天させないと暴れて鱗が剥げ落ちます。最初は無我夢中です。たもを入れてバレた時の落胆・・・皆のあんぐり開いた口を思い出しては笑ってしまいます。マスの次は6月1日の解禁を待ってトローリング支笏湖に主戦場を移してチップ(ヒメマス)との勝負になります。

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