父の愛機です。ボクが物心ついた頃の父のカメラはPENTAXでした。柳原良平イラストのペンタックス、ペンタックス・・・のテレビCMが子供たちにも人気で小学校でも流行っていました。東京オリンピック前の記憶ですが・・・。
父の撮影でよく雪山へ強制連行されましたが、ある時寒さでペンタックスのフィルムがパキッと音を立てて切れてしまいました。急に父の機嫌が悪くなって“ニコンならヒマラヤでもシャッター切れるんだけどな・・”ってつぶやいたのを覚えています。まもなく父はニコンFを購入しました。28ミリの広角、55ミリのマイクロ、105ミリの望遠があの頃の父の手持ちのニッコールレンズでしたがレンズ交換が煩わしかったようです。
ある時２階の和室で愛機を手入れしてる父の手元を見るといつもと違うニコンFでした。全く同じものですが一箇所だけ違うのを一瞬で見抜いて“これいつものニコンじゃないね”と言うと明らかに父はうろたえていましたが新しいグローブかバット欲しくないかなどと露骨な買収行為に出てきました。見返りはお母さんには絶対内緒にしておいてくれないかということでした。あの頃のニコン６万円は会社員のサラリーに比較すると今なら５～６０万にも匹敵するかも知れませんね。ボクはあの頃から口が堅く、かつ買収に弱かったようです。あの時ボクが見抜いたのは２枚目の画像で明らかです。刻印が違います。左が２台目です。
