pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

燐寸

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マッチは100円ライターに駆逐されて姿を消しました。オリジナルマッチを置いてる喫茶店すらありません。マッチを燐寸と書くと雰囲気がでます。ボク等が子供の頃はバカでかい徳用燐寸箱がありました。灯油ストーブになる以前の石炭ストーブやマキストーブのそばには必ずありました。高校の頃はクリントイーストウッドが葉巻に火をつけるシーンがカッコよくてシビれました。不思議なことに西部劇のガンマンのマッチはどこで擦っても発火します。柱や壁、ブーツの底なんてよくあるシーンです。真似しようとしましたが普通のマッチでは火がつきません。本来マッチは西部劇仕様で塩素酸カリウムの頭薬のてっぺんに赤燐を塗りつけた2重構造でした。赤燐を箱の側面に塗って分離して軸のみでは発火しないようにしたのが安全マッチです。

西部劇仕様は簡単に作れます。側薬(赤燐)を濡らすとふやけてくるので軸のてっぺんを擦りつけて赤燐を塗ってやります。乾燥させて仕上げに溶けた蝋燭にヘッドを沈めてコーティングしてやると湿気にも強いアウトドア仕様になります。蝋マッチというものです。市販もされています。片手に軸を持って親指の爪で軽くこすって発火させるのが粋です。パイプ党には専用ライターがありますがはやりマッチじゃないと雰囲気が出ません。画像のマッチ箱はすべて木の箱です。紙ではありませんよ。

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