pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

FLEX LITE フレックスライト

f:id:Qjiro:20200321092104p:plain

夕マズメ時から薄暮になると手元の作業がおぼつかないのでベストの胸ポケットには定番のフレックスライトが差し込んであります。これがないとフライの交換もままなりません。昔の美笛川の河口は沖に向かって50メートル以上も遠浅になっていて崖のように落ち込んでいるギリギリポイントで腰まで浸かってドライフライを振っていると少しづつ暗くなってきます。夕焼けを写した湖面がものすごい色に染まりますがやがて徐々に闇が浸透してきます。すると突如静寂を破ってアメマスのライズが起こりはじめます。最初はあまりの数と喧騒に驚きましたが自分は今だれにも邪魔されずに支笏湖をひとりじめにしているような気分になったものです。実際フライマンなど見たこともなくだあれもいませんし。

美笛の河口から右に300M程のところに昔はセンターがあって(今は廃墟かな)チップ釣りのボートに切り上げの音楽を流します。たぶん今でも聞こえるはずです。夏場は6時だったと記憶していますが曲名はドボルザークの「新世界」第2楽章(家路)でした。実際あの音楽が流れてもフライロッドを振る手は止むことはないのですが・・・。とっぷりと日が暮れて完全に闇に包まれるまでキャストは続きます。そのままテントも張らずに焚き火だけで巨大な流木にもたれかかって何度も夜を明かしました。その頃の美笛河口は野営場側から歩くしかなく四論駆動車も一切入れずで砂地が柔らかくて砂浜のようでした。

“暮れそめし河のほとりに鱒を焼く” ボクは基本的にキャッチ&イート派でして釣ったら喰うです。テントなしの野営は天空の星がきれいでさながら天体ショーでした。