pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

水中メガネ

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いま頃の夏休み時期になると幼い頃を思い出します。“夏休み”という言葉は男の子を高揚させる響きがあるように思います。ボクのイメージはキリギリスの鳴き声で幕を開けます。祖父母の家、麦わら帽子と下駄と入道雲と海のニオイ、そして水中メガネですね。小学校に入る前頃にはじめて買ってもらった水中メガネは今のスイムゴーグルに近い2眼式で店先にぶら下がっている画像そっくりで緑色をしていました。水の中をのぞいてみるとそれはきれいで魂消たものです。繰り返し水中をのぞいていると海水が入ってきてメガネに溜まります。目を真っ赤にしていると母がガラスの縁に蝋燭を溶かして防水をしてくれます。ちょっと深く潜れるようになってでんぐり返ると鼻から海水が入って目に抜けて強烈な痛みが走ります。

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この画像は宮古島のぺんぺん草さんのブログから拝借しましたがこのタイプのメガネは沖縄の糸満メガネがルーツで海人はミーカガンと呼んでいます。明治17年に玉城安太郎氏が発案したものでモンパの木をくりぬいて作ります。それ以前の海人には眼病が多かったそうです。小学校に入るとこのタイプと越中フンドシは店頭から消えました。ボクにとっては懐かしくてたまらないデザインです。モンパの木で作られたほんまもんのミーカガンが欲しい。