pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

虫籠

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夏休み時期になると店先にぶら下がるのは水中メガネ、浮き輪、虫取り網、虫かごなどですが一番古い記憶では最初の虫かごは竹ひごで出来たものでした。小学校に入る頃には急速に竹の虫かごは姿を消して木に金網を張りつけた虫かごが登場しました。じきにブリキ製になりやがてプラスティック全盛となるわけです。今の時代ならカブトムシかクワガタが人気でしょうがボクはクワガタなど全く興味がなくてひたすらキリギリスを捕まえることに執念を燃やしていました。風下から鳴き声を頼りに気配を消して猫のように近づいて両手で捕まえますがアイツの用心深さと逃げ足の速さ驚くほどで夜の闇にまぎれるとこちらがかなり有利になります。捕獲に出かけるときはブリキの虫かごで家では竹の虫籠に入れて飼うわけです。今でもキリギリスの鳴き声を聞くと子供の頃の夏休みの思い出がよみがえってきます。

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今は駿河産の煤竹の虫籠を二つ使っています。四角と釣鐘型ですが子供の頃の虫籠と比べると一本一本の竹が極細で精巧に作られていて煤竹の色合いが中々風情を醸しています。キリギリスの捕まえ方も横着というか狡猾になって釣竿とリールを使います。エサは長ネギです。あのニオイに弱いようで目の前にぶら下げてやると飛びついて抱きついたら離しません。子供の頃はバッタを引き裂いてヨモギの枯れ枝の先に縛り付けて差し出すと喰いついてきました。キリギリスは羽が胴より短いのですが北海道のキリギリスは羽が胴よりはるかに長い正式にはヤブキリです。

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子供の頃の虫籠はこんなんでした。懐かしい。「三丁目の夕日」の時代です。オニヤンマも勲章だったなあ。ギンヤンマの精悍さと敏捷性にはずいぶんコケにされました。 

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