pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

灯油ランプ

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ボクが小さい頃には台風の季節ともなると稀に停電という幸運に恵まれます。そうなるとランプの登場となります。昭和30年代にはどこの家庭にもあったのではないでしょうか。このランプの灯りというものがボクをなんともいえない高揚感というかシアワセな気分にさせてくれました。蛍光灯の明かりは部屋全体を隅々まで照らすというものですがランプの灯りは微妙な影(陰)をつくります。谷崎潤一郎の『陰影礼賛』(インエイライサン)の世界ですね。自分の背後の陰に座敷わらしが潜んでいるようなゾクゾク感があります。だから停電は大好きでした。今ではランプはすっかり姿を消しましたが山小屋の明かりとして生きながらえています。ハリケーンランタンに比べるとこちらの方が多いようです。

ランプは灯油(ケロシン)を燃料として使うのでかなりの油煙を出します。ホヤ(火屋)はすぐに黒くなりますが昔はホヤ掃除は手の小さい子供の仕事と決まっていました。芯は丸芯と平芯がありますが一般には平芯が多いようです。平芯には八分芯と五分芯がありますがボクのランプは五分芯です。芯が太いと灯りが大きくなりますが燃料も喰います。たまに火を灯して雰囲気を味わいますが今はパラフィン系の無煙燃料がありますのでホヤ掃除とも無縁です。