pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

PRIMUS 2240、2245ランタン

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盛夏の庭で真っ昼間から仲間と焼肉大会などしますと日が暮れても延々と続きます。初夏やお盆過ぎだと日没と同時に肌寒くて家の中に逃げ込んで二次会となりますが真夏だと誰も家に入ると言い出さない。なのでランタンの登場となります。やはりプリムスの2245を数個使います。今はイグナイター付きで一発着火です。明るさもほどほどでグローブが丸いので光の拡散もいいようです。これデビューして50年を超えてるように思うのですが息の長い道具です。マイナーチェンジを繰り返してきましたが2220まで遡れば還暦近いかも。

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灯りの良さというのは陰影です。谷崎潤一郎が『陰翳礼讃』で言うとおりだと思いますね。部屋の隅々まで余す所なく照らす現代の照明には面白みがありません。小さい頃に台風でも来て突如停電となると小躍りして物置から灯油ランプを持ち出して火を灯すことになります。とたんに背後に陰影が生まれます。ゾクゾクするほど楽しい時間でした。父が怪談話でも始めようものなら漏らしそうです。話が佳境に入る頃に限って電気がパッと点いて愉悦の時間は突如終焉します。ボクの落胆はひどく深くて電力会社を呪うのでした。いったん明るくなると白けちゃって怪談なんてなぁ~んの趣もねーし。


後年森で野営をして焚き火を囲んでバーボンなど飲んでいますと背後の森に巨大な影が揺らめきます。焚き火で踊るボク自身の影なのですがちょっと良いものです。