pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

甕かめ

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昨日は小金湯温泉の帰りに市場へ寄って注文してあった梅20kgと紫蘇3束を積んで帰りました。今年は梅が小さくて良くありません。例年30kgですがオヤジが倒れて以来3シーズン作っていません。最後のシーズンにオヤジが丹精した梅干しも昨年中に底をついたので今年は自分で作るしかありません。

 市販の梅干しは口に合いません。一粒300円の高級梅干しでも不味くて食べられない体質なので自家製造するしかなし。父のシステム手帳に作り方の詳細は記載してあるとの遺言でしたが開く気にはなれずネットで調べて昨夜のうちに頭に入れておきました。まぁなんとかなるでしょう。

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昨夜のうちにあちこちから引っ張り出した甕がいろいろあってベランダで水洗いをしました。年代物ばかりです。中々味のあるものです。こんなのはまず梅干しか糠漬けにしか使いませんがプラ桶やガラス瓶では気分が出ません。常滑焼きか益子焼でしょうね。消毒用の35度の焼酎も用意しましたし肝心の塩は“南の極み”と五島産の残り物でミックスです。20kgの15%としても3kgですね。

数十年前に死んだ父方の祖母が梅は自分が住んでいる土地の梅を使え!無けりゃなるべく気候の近い近隣の梅を使え!ということで永く青森産の3Lサイズが父の指定だったので卸売り市場の友人に頼んで仕入れてもう三十年以上親の作る梅干しを食べ続けてきました。

5~6年ほど前に父が急に今シーズンは南高梅でやってみたいと言い出して紀州産なのでいつもよりは早めに仕込みに入りました。南高梅は種も小さくて肉厚なのですがボクには全く馴染めぬ味でダメでした。その年は余市のとなりの仁木産が大きいのでまた30kg仕入れて再度父に作らせました。なにせ閑人ですから有り余る時間にものをいわせてベランダとガレージの上に簾を広げては一個づつひっくり返して丹念に土用干しをするわけです。雨など気配がしただけで速攻で梅を仕舞います。閑人の成せるマメさで甕に入れた梅干しはまさに宝物。こんな人だったかな?と人間変われば変わるものだと感心したものですが今度は自分でやることになったわけでやはり食卓に梅がないと困ります。ボクの場合はテキトーですが。