pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

うな重-番外編

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最初に勤めた会社のそばにうなぎのかど屋がありました。土用の丑の日には仕入れたうなぎを入れた大きな木のタライを店の前に出して煙と合わせて目でも通行人の喰い気を誘う作戦です。会社をサンダル履きで抜け出して無料のニオイを嗅いでタライを飽きずに観ているとニュルニュルうごめいている中の一匹を指して顔見知りの職人さんが“これが良いうなぎだ!色が違うだろ、青って言うんだ!これさばいてやるから食べてけよ!”四十数年前の話ですが当時でもうなぎは高級品です。かど屋は市内あちこちにあって割とリーズナブルでしたね。

川越にいちのやといううなぎ屋があってここはよく通いました。伯父のおごりで月2度は食べていましたがボクの好物ランキングのトップにうな重が躍り出たのはこの店のせいです。それは今でも変わることなく絶対王者に君臨しています。“うな重”という響き、文字列だけでもツバが出るパブロフの犬です。札幌に戻ると勤務先の三丁北側にうなぎの二葉があってここには週イチペースで通い続けることに。古今亭志ん生似のオヤジが煙の中でお仁王さんの形相で焼いていましたっけ。オヤジはとっくに亡くなりましたが沢山儲けてすぐそばにビル建てましたものね。


仲間と酒が入ると土用の丑の日は贔屓のうなぎ屋自慢になります。うな明のタレがいい、和田の白焼きが喰いてぇ、話を聞いているだけでヨダレが出てやがてイライラきます。なので今回はススキノの和田で思いきり怨みを晴らしてきました。。駅から地下通路4600歩を歩いて開店時間5時半ジャストに到着。まず板わさ、葉山葵でビールをやってると白焼き登場。山ワサビのすりおろした醤油をちょこっとつけて食べます。ここはムッチリ感のある仕上がりで美味い。店の大将も雰囲気醸してるし。すぐに日本酒に変えてウハウハやってるとうな重が登場です。3分もかからずワシワシ胃袋に納めると幸福感がジ〜ンと押し寄せてきます。さらに白焼きと日本酒お替りで駄目を押したのでした。腹が九重部屋の千代丸のようになったのでタクシー呼んで帰宅、速就寝。夜半に目が醒めてもアァまたうなぎ喰いてぇ!

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昔ここの鴨々川を挟んで北向かいに直樹というホストクラブがありましたね。マヒナスターズの松平直樹ね。