pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

ダイヤモンド マイクロ7 No.201

f:id:Qjiro:20200316131310p:plain

大森製作所のスピニングリールの最初はこのマイクロ7でした。なにげに買ったものらしく購入時の記憶がありません。かなり仕舞い込んであったものが何年も経って陽の目を見たわけです。使ってみるとカッチリ出来ていてすごくいい。以来国産スピニングはダイヤモンド以外目もくれませんでした。ネジ込み式のハンドルが好きでした。当時のスピニングは高速でハンドルを回すと回転にブレが生じます。車のホイールといっしょでバランスを取る必要があります。ケース内側に鉛の固まりがビスで取り付けてあります。ところがダイヤモンドのリールは鉛がありません。部品の配置だけでバランスをドンぴしゃり合わせているものと思われます。余計な重りがないので軽くなります。

ベルリンの壁がなくなった頃だったか釣具屋で白い不恰好なスピニングリールを見ました。そこにDIAMONDの文字を見つけて驚愕しました。いったい大森製作所になにが起こったのだろうと思いましたがダイヤモンドとの蜜月の終焉も感じました。一瞬でボクのダイヤモンド熱が冷めていました。IBMのシンクパッドが白い塗装のNECになったような・・・起こりえないことでした。ブラックのみの商品構成もわるくないのにね。間もなく大森製作所は店頭から姿を消しました。

考えられる原因は他メーカーのクオリティの急成長と市場の席巻、つまりシマノだと思います。追い詰められて“らしさ”を捨てて大手と同じものづくりを始めた。たぶん一瞬で大勢の大森ファンを無くしたでしょうね。独自路線を堅持して自然死を待つか、一か八かで玉砕をするかは経営者の判断でしょうけどボクとしては残念至極な出来事でした。

f:id:Qjiro:20200316131336p:plain