はじめて手に入れた加圧式ガソリンストーブです。スポーツスターの発売は東京オリンピック前後のはずです。３０年ほど前の夏に雄冬方面へ釣りに行こうということになり弟と親父で出かけることに。親父が兄貴を誘ってもいいか？というので実家の近所の父の十歳上の兄を乗せて現地へ。当時は浜益の千代志別から向こうはトンネル工事中で行き止まりです。崖伝いにかなり歩いてテントの張れる場所と釣り場を見つけました。テントを張って夕まずめまで時間もあるのでまずはスキンダイビングで獲物を確保しました。巨大なバフンウニとアワビがいくらでもあります。伯父がビギナーズラックで大きなハチガラを釣り上げて機嫌は上々でした。ここまでは。
ボクはこのスポーツスターに大きめの鍋でウニやアワビや貝を山ほど入れて浜鍋をつくって、焚き火を起こして飯盒を取り出しました。すると伯父が急に目を輝かせてオレにまかせろと言い出しました。親父がアニキだいじょうぶなのか？と不安な表情でした。ずば抜けて不器用なひとですから・・・
バカ！戦地で何百回炊いたと思ってんだ、と威張っています。結果は不安的中で悲惨なものでした。親父がキレて兄弟喧嘩がはじまり・・・その夜のテントは険悪ムードで明け方早々にテントから出た伯父がまたまた大きなハチガラを釣り上げて親父の機嫌がまた悪くなりで・・・帰りの車も険悪ムードでした。でも親父も伯父もこのストーブには驚いていました。その伯父も今は天国で飯盒炊爨しています。
数年後にスポーツスターはピークワンに主役の座を渡してリタイヤしましたが思い出の詰まったなにもない時代のボクのお宝でした。
