pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

潜行板

f:id:Qjiro:20200320084341p:plain

珍品かな。トローリングに欠かせないのは魚のいる深度へ疑似餌を運んでくれる潜行板です。海水面に追われて逃げ惑う小魚の群れが立てる泡立ちを演出するヒコーキやバクダンなんてのもありますが対象魚がカツオやメジマグロですので北海道では使いません。北海道で潜行板を使うのはマスとヒラメです。湖では支笏・洞爺のチップ(ヒメマス)で潜行板を使います。画像の潜行板はオーストラリア製で深度調節ができます。お国柄があって面白いのですがやはり日本伝統の漁師の道具、仕掛けはすごいなと思います。知恵と独創性に驚かされます。いずれにしても最初はどこぞの誰かが試行錯誤の連続でこしらえたものです。偶然も関与していると思いますよ。

f:id:Qjiro:20200320084422p:plain

船を流して引っ張る曳き釣り(トローリング)はいわゆるオートマティックです。いったんセットすると船の速力くらいであとは向こうまかせなのでテクニックというものがあまり介在しません。したがって海中で仕事をするシステムには知恵とノウハウが凝縮されています。潜行板はもちろんですが疑似餌も大変なものです。少しでも漁の効率を上げようとどこかの誰かが苦心をを重ねて作り上げた道具が今は定番となって実績を上げています。時代が変わっても魚の習性は変わらないからです。ボク等はそれらを使って純粋に楽しむ釣りをしています。しかしながらそこにもオリジナルな工夫と試行錯誤が必ずあるものです。釣師とはそうしたものです。釣りは深夜の自室の大脳の中ですでに始まっているのです。

f:id:Qjiro:20200320084458p:plain

f:id:Qjiro:20200320084516p:plain

f:id:Qjiro:20200320084535p:plain

ワモノの伝統漁具はいずれかの機会に。