pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

HOPE カンジキ

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30年も前ですがまだ小さかった頃の秀岳荘へ行くと山用具がずらりとぶら下がっています。今の店のように洗練されていませんでしたが狭い店内は山屋の雰囲気がプンプンでした。特に冬山といえば竹のストックとアザラシのシールを貼ったオリジナルゾンメルスキー、狸の毛皮で出来た尻敷き、そしてカンジキでしょうか。時代が変わっても秀岳荘のゾンメルスキーは健在ですがカラーリングが大きく変わって狸の毛皮も異常繁殖の外来種アライグマに代わっています。あの太くて短い板を誰が買うのかと思うでしょうが雪山を散策するには中々良き道具です。高圧電力線の保守点検を担う北海道電力では大量に購入するという話を聞いたことがありますが今はどうでしょうか。スノーモービルがありますものね。

このカンジキはスパイク付きで斜面や硬雪でも威力を発揮します。数あるカンジキの中でも最高に美しい立山のスタイルだと思います。ホープブランドの焼印が入っていますが富山立山町の芦峅カンジキだと思います。しなやかで強靭なこの木は永らく謎でしたがマンサクのようです。ホープはアイゼンやピッケルを製造していましたが30年ほど前に姿を消しました。鍛冶屋で打ったアイゼンやピッケルは手作りの匂いがありました。ドイツのマーカーの輸入元でホープマーカーブランドでライセンス生産したものはボクも子供の頃は使いました。はじめて使ったステップイン金具もホープ製でした。今はスノーシュー全盛ですがこんなカンジキをはいて尻に毛皮をまいて阿仁マタギの気分で雪山に入るのもいいかもです。獣の足跡を追いかけるだけでもワクワクしますからね。

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