pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

Coleman クラシックミッドサイズ

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社会人になって最初に持ったテントがこれでした。昔のコールマンはアメリカンタイプのテントをいくつか作っていて日本コールマンで輸入販売していました。アメリカンヘリテージやオアシスなんて巨大なものがありましたがボクのは一番コンパクトな4~5人用タイプでした。キャンバス地で重量がありました。屋根の棟木にあたる部分に一本パイプがあってテンションをかけて張りを出します。

81年の夏休みに島牧に仲間と2泊の予定でダイビングに出かけました。タンクも2~30本レンタルしてハイエースのレンタカーにフロントが持ち上がるほど積み込んで万全の体制で向かいました。島牧に着くと同時にポツポツと雨が落ちてきました。岩場にキャンプを張ってブルーシートでタープを作ってウェットスーツに着替えて各々バディを組んで好きに潜って・・・を二度ほど繰り返していましたが雨は一向に止む気配がありません。夜になると本降りでタープを叩く音がうるさいくらいでした。それでも夜半まで宴会をしていましたが二つのテントに分かれて眠ることにしました。買ったばかりのクラシックを持っていきましたがしばらくして雨漏れに気づきました。テンションがかかる端のシームが開いて雨が染みこんでくるようでした。仲間は文句タラタラでボクはカッカしながらもやがて心細くなってカンサスのウィチタはあまり雨が降らないのかなあ・・などと考えながら夜を明かすのでした。糸を引くような雨が翌日も降り続いていましたが予定通りダイビングと夜の宴会をこなして札幌に戻りましたがついに雨が止むことはありませんでした。

その翌日は長い夏休み明けの出勤日でしたが神宮の表参道が大河のように道巾いっぱいに流れていて28丁目環状側からそれを見て恐怖しました。しかしこんな風景は生涯二度と見ることがないだろうなぁって感じ。エンジン水没したタクシーや乗用車はそこら中に沢山あってバスがとなりを通るとその横波でボクのクルマが動くのには慌てました。水位はエアクリーナーから水を吸い込むギリギリだったかも知れません。シリンダーに水を吸い込むとコンロッドが飴のように曲がってエンジンはパーです。水位の深いところはセカンドギア固定で泳ぎ切りました。恐怖の円山、旭ヶ丘を抜けて無事会社へたどり着きますがミーティングが終わると脱兎のごとく秀岳荘へ走って雨に強いテントを物色し始めるのでした。