pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

National 針結び器

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基本的に釣りの仕掛けはオール自前ですから針と糸とパーツ類があれば作るのも楽しみです。この機械は乾電池で作動する中々考えられた道具です。いまでももちろん現役です。裏と表があって機能が別れていますがボクは針結びでしか使っていません。コツを覚えれば5分もあれば10本近くのキレイな製品と違わぬものが出来上がります。

小学校の低学年の頃に釣キチガイの父方の祖父に針結びを教わりましたがいまだに覚えています。あれは内掛け結びと外掛け結びがありますが簡単な外掛け結びでした。祖父が糸を歯で噛んで最後に締め上げる時にいつもコリっという音がします。その音が耳に残っています。祖父は満州でも釣りの虫は治まらず案内人兼ボディガードを雇って馬で満蒙の奥地の河に出かけたそうです。馬賊が頻繁に出没するので腰にはいつもモーゼルを下げていたそうでなんとも物騒な話ですがそれでも行かずにおれない釣師の業ですね。

父も何度か釣行に付き合わされたそうですが河でもメバルに似た巨大な魚が釣れるそうです。宿泊は現地の満州族の部落です。四方に長い壁をめぐらして入口は楼門構えで必ずと獰猛なチャウチャウが番犬として外部の人間に吠えたてるそうです。祖父さんは最初は四つん這いになって番犬とうーうー唸りあって頃合いをみるとポケットから餌を出してチャウチャウを懐柔します。その後に族長に会って数泊の滞在を頼むそうです。みやげは彼らが一番喜ぶ塩と日本の徳用マッチを大量に馬に積んで行くそうです。住宅はオンドルで冷え込む秋に子供が刺し子一枚で布団もかけずに寝ているのに父は驚いたようですが実際ポカポカして床暖は暖かかったそうです。燃料は干した牛糞です。

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