pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

SUNTORY 角

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最初に飲んだウィスキーがサントリーの角でした。盗み酒でした。小学校一年生の頃にオヤジが設計した家が出来上がり引っ越しました。当時としてはモダンな家で台所はサンウェーブというメーカーのシステムキッチンでしたがそのキッチンの左端の扉の中になぜか角瓶が隠してありました。あれは母がボクを警戒したものなのか?オヤジはその翌年頃から晩酌の習慣が始まりましたが日本酒のみでウィスキーは来客用でした。最初はあの琥珀色に妙に心引かれて気になってしかたありません。家人の留守を見計らってキッチンの隅にしゃがみこんでボトルに手をかけます。キャップをあけて香りを嗅いだ瞬間にウットリしてしまいます。なんというカグワシサでしょう。最初は舐める程度だったんです。ある時キャップに半分注いでだれもいないか再度確認してイッキに飲みましたら喉に火がついて慌てましたが炎が食道から胃に落ちるまで耐えていましたがその後に口内から鼻腔になんとも言えない余韻が残りました。オトナというものはこのようなものを飲むものかと。ズルいと思いました。

翌日からボクの酒盗人が始まります。徐々に味を覚えますが自分との葛藤の連続でバレたらオヤジにボコボコにされるのは確実でキャップ一杯で止めとこう、いやもう一杯くらいなら分からないべの繰り返し・・・・ある時に激減しているボトルをまじまじと見て愕然とするのですがサル知恵といいますか水で文字通り水増しするわけです。盗み酒はウマイのです。生まれつき酒は強かったようで顔が赤くなったり気分がよくなったりはありませんでした。ただあの香りと刺激ですね。

あの時の角サン(北海道はカクサンです)のキャップの感触が今でも指に残っています(唇にも)。縁をていねいに巻いて指にやさしいつくりでした。あの頃の角サンは初代もしくは2代目いずれなものか。初代はもっといかり肩で角ばっていました。

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