pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

山水火鉢

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十代はどちらかというと西洋骨董好きでした。特に柱時計とアンティークの腕時計は市内の古い時計屋さんを回ってずいぶん手に入れました。一時期は壁中柱時計でした。ハッカク、スリゲール・・・保存状態の良い金張りのブローバやオメガを見せてもらうと欲しくて何度も口説きに通います。自然に親しくなります。そうして親しくなった時計屋のオヤジもずいぶんいましたが次々と姿を消していきました。

ボクの20歳前後は腕時計が手巻き、自動巻きからクォーツへの移行期で腕時計は精密機械から電化製品となります。精密機械の修理、分解掃除で食べていた頑固な時計職人たちには苦難の時代の始まりです。今クルマの業界でも似たようなことが起こりつつありますね。内燃機関(エンジン)の時代からバッテリー駆動の電化製品へ移行しつつあるように見えます。

25歳を過ぎて急激に和風趣味化すると骨董も西洋モノには見向きもしなくなります。古伊万里の皿、蕎麦ちょこ、和箪笥・・・この火鉢は印判手でたいしたものではありませんが正月に餅を焼いて食べようと北口近くの骨董屋で衝動買いしたものです。ゴトクも火箸も金網も用意しましたが肝心のモノが手に入りません。木灰です。これは15号程度、直径50センチもある大型なのでいっぱいにするにはかなりの量が必要です。したがって餅を焼いたり日本酒にお燗をしたりは実現せずに20年以上も植木鉢のカバーです。

先日東急ハンズで大きな紙袋に入った木灰を発見しました。今度のお正月こそ遊べそうです。

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