pazuのノスタルジックな道具

愛着の道具と遊びの回顧録

ロゼッタストーン

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道具としての役割は江戸時代の高札のようなもの?でしょうか。お上の御達し。この石碑は発見こそ1799年ですが碑文が掘られたのは紀元前196年のプトレマイオス朝の頃、プトレマイオス5世の勅命が刻まれています。プトレマイオスといえばアレクサンドロス大王のご学友にしてアリストテレス門下の将軍ですね。美女で有名なクレオパトラ7世がファラオになるのは140年も後のこと。

この石碑をめぐっては物語がいくつも書けそうです。実際書かれたのでしょう。発見時の時代背景、碑文が刻まれた頃の時代背景、そして何よりもヒエログリフ古代エジプト神聖文字)の解読に至る物語ですね。現物は大英博物館に鎮座していますが此処のお土産コーナーの40㎝弱のレプリカが画像のものです。石のように硬くて重いのですが材質はわかりません。傷まで再現しています。ジッと見ていますと文字ってなんだろって考えちゃいますよね。paperの語源になったパピルスに神聖文字を乗っけて伝達、記録に使い始めたのが5000年ほど前。ところがパピルスは変質、変色、腐食などで保存には致命的でやがて羊皮を使うようになります。中国では紀元前に紙はあったようですが蔡倫の紙が後漢の108年ではるかに下って唐代にシルクロードを経てアラビアに伝わります。ヨーロッパに伝わるのがさらに遅くルネッサンス期だといいますから驚きです。日本はというと...もう止めましょう。

紙に文字を書くことが少なくなりました。文字は文字入力アプリと人差し指ですものね。音声入力に至っては指すら要りません。ペンと紙と封筒と切手と郵便局員さん無しで文字が時空を超えて瞬間移動、ワープします。イノベーション?時代は変わりました。